【都内・健康診断】雇用時・定期健診は企業の義務！対象者と実施時期

一般健康診断とは

一般健康診断は、労働安全衛生法によって義務付けられた健康診断のことです。この診断は、労働者の生活習慣の改善や病気の早期発見を目的としています。

一般健康診断には、以下の5つが含まれます。

• 雇用時の健康診断
• 定期健康診断
• 特定業務従事者の健康診断
• 海外派遣労働者の健康診断
• 給食従業員の検便

それぞれの健康診断は対象者や実施時期が異なりますので、企業は労働者の状況を把握し、適切な実施計画を立てなければなりません。

また、「生活習慣病予防健診」と呼ばれる健康診断もあります。検査項目が豊富にあり、定期健康診断に置き換えることが可能です。協会けんぽに加入する35歳～74歳の被保険者は、協会けんぽの補助を受けてこの健診を実施できます。

雇用時健診・定期健診の対象者

雇用時健診と定期健診の対象者は、労働安全衛生法により「常時使用する労働者」と定義されます。常時使用する労働者とは、1年以上の勤続が見込まれ、週の労働時間が正社員の4分の3以上の労働者です。例えば、以下のような労働者が該当します。

• 正社員
• 契約更新により1年以上の勤続が予定されているパート、アルバイト、契約社員
• 契約更新により1年以上の勤続実績があるパート、アルバイト、契約社員

これらの労働者には、雇用時の健康診断と定期健康診断の実施が求められます。派遣労働者の一般健康診断は派遣元企業が実施する必要がありますので、明確に区別しなければなりません。

雇用時健診・定期健診の実施時期

雇用時健診は、雇用時に実施が必要です。厚生労働省の指針では、入社前でも健康診断ができるとされていますが、具体的な期限は設けられていません。一般的には雇用前後の3ヶ月以内に実施することが望ましいとされています。

定期健診は、「1年以内ごとに1回」の実施が義務です。前回の定期健診から1年程度の間隔が理想的であり、企業は適切な実施時期を把握するため、定期健診のスケジュールを計画しておかなければなりません。また、定期健診を1年以上経過させることは違法となるため、注意が必要です。

法令に違反した場合の罰則

健康診断の実施義務に違反した場合、労働基準監督署からの指導や最大で50万円以下の罰金が科せられます。また、健康診断の未実施が労働災害や健康被害の原因となった場合、企業は安全配慮義務違反の責任を負う可能性があります。これは企業の信頼問題にも関わる重大な事案です。

労働安全衛生法第66条では、健康診断の具体的な義務について以下のとおりに定められています。

• 健康診断は医師から受診する
• 健康診断の結果は記録を残す
• 診断結果に問題がある場合は、医師などからの意見を聞く
• 診断を行った医師の意見によっては、必要な処置を行う
• 健康診断を受けた労働者に対し、企業は診断結果を通知する
• 診断結果を受けて健康状態の改善が必要な労働者に対し、保健指導などに努める

企業は健康診断の実施を確実に進め、法令遵守と労働者の健康と信頼の保持に努めなければなりません。労働者の健康を守るために計画的な健康診断を実施してください。